ITパスポートと基本情報技術者の違いは?両資格の取得メリットから取る順番まで解説!

「ITパスポートと基本情報技術者って、何が違うの?」

「両方取っておきたいけど、どっちから受験すればいいの?」

そんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

ITパスポートと基本情報技術者はどちらもIT系なら取得しておきたい資格ですが、難易度や取得のメリットが異なります。

そのため、片方だけに挑戦する場合どっちを取るべきかは人によって異なります。

また両方取る場合に、勉強しやすい順番も気になるところでしょう。

この記事ではITパスポートと基本情報技術者の違いについて、あらゆる面から分析して、その結果を分かりやすく解説していきます。

読み終わった頃には、ITパスポートと基本情報技術者ついて分かり、方向性を決められるでしょう。

ITパスポートと基本情報技術者の違いをざっくり説明すると

  • ITパスポート試験は通年、基本情報技術者試験は年2回実施されている
  • ITパスポート・基本情報技術者は共にCBT方式
  • どっちから順に取得しなければならないという規定はないが、基本情報技術者のほうが難易度が高い

ITパスポートと基本情報技術者の主な違い

チェックリスト

まずITパスポートと基本情報技術者の、試験形式・難易度・試験範囲の違いを解説します。

試験形式の違い

ITパスポートと基本情報技術者の受験方法・受験日・受験時間を比較しました。

受験方法

ITパスポートはパソコンで行うCBT方式の試験です。コンピュータに試験問題が表示され、マウスやキーボードで回答します。

出題形式は四肢択一式で、時間帯は午前・午後・夕方から都合の良い時間帯を選べます

対する基本情報技術者試験もCBT方式による試験が2020年12月から開始されており、コンピュータにて試験回答を行います。

受験日・試験時間

ITパスポートはCBT試験で、試験会場によって試験実施日は異なりますが、基本的に毎月実施されています。

対して基本情報技術者試験は例年4月と10月の年2回の実施されていましたが、2023年4月より通年で試験を受験できることとなりました。

ITパスポートは自分の予定や勉強の進捗度に合わせて好きなタイミングで受験することができ、基本情報技術者も今後は自分の好きなタイミングで受験することができます。

また試験時間を比較すると、ITパスポート試験は120分で終わります。一方、基本情報技術者試験は午前・午後各150分で合計300分と長丁場です。

※(2022年4月25日の発表により、午前試験は科目A試験に変更され時間は150→90分へ、午後試験は科目B試験に変更され、時間は150→100分に今後変更予定です。)

基本情報技術者試験のほうが、集中力が必要な試験といえるでしょう。

難易度は基本情報技術者のほうが高い

ITパスポート試験と基本情報技術者試験はどちらも独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が「情報処理の促進に関する法律」に基づいて行う国家試験です。

ITパスポート試験はすべての社会人を対象としているのに対し、基本情報技術者は情報技術者を対象としており、難易度は基本情報技術者のほうが高いといえるでしょう。

各試験の難易度は以下の記事でチェックしてください。

合格率は?

合格率は、ITパスポートは50%程度ですが、基本情報技術者試験は20~30%しかありません。このことからも、基本情報技術者試験のほうが、難易度が高いといえるでしょう。

基本情報技術者試験は午前・午後に分かれており、午前だけで比較するとITパスポートと難易度はそれほど変わらないという声が多いです。

基本情報技術者の午後の試験では、長文形式の問題出されます。この午後の問題で苦戦する人が多く、合格率を下げ、難易度を上げている要因と言えます。

勉強時間は倍違う

基礎知識などで個人差も大きいですが、ITパスポートの平均的な勉強時間は、初心者の場合100時間程度のようです。

この場合、1日3時間程度の勉強で、1か月少々かかります。

対する基本情報技術者試験は、初めて挑戦する場合合格に100~200時間程度かかると言われています。こちらも基礎知識によって必要な勉強時間は前後します。

200時間勉強すると仮定してスケジュールを立てると、1日3時間の勉強時間を2か月と数日確保しなくてはなりません。

基本情報技術者試験を合格するには、ITパスポートの倍近く勉強する覚悟が必要です。

各試験の難易度は以下の記事でチェックしてください。

合格基準の違い

ITパスポート試験と基本情報技術者試験は、どちらも合格基準が公表されています。 以下では合格基準の違いについて解説します。

ITパスポート試験の合格基準

ITパスポート試験に合格するには、

  • 総合得点が1000点満点中600点以上あること
  • ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の三つの分野別評価点がいずれも1000点満点中300点以上あること

の2つを満たさなくてはなりません。

ITパスポートの出題数は100問です。そのうち8問は今後の出題を評価するために行われるので、総合得点に反映されるのは92問です。

分野別評価の問題数は、ストラテジ系が32問、マネジメント系が18問、テクノロジ系が42問と定められています。分野別評価点が1つでも300点を下回る場合は不合格になるため、不得手な分野があると不利なのが特徴です。

基本情報技術者試験の合格基準

基本情報技術者試験に合格するためには、

  • 午前の試験で100点満点中60点以上獲得
  • 午後の試験で100点満点中60点以上獲得

のいずれもクリアしなくてはなりません。

基本情報技術者試験は午前午後ともに多肢選択式で出題され、午前は80問、午後は11問の出題のうち5問を回答します。午後の試験には必須回答問題と選択解答問題があります。

ITパスポートの総合評価と基本情報技術者試験を比較すると、どちらも60%以上が合格ラインとなっています。しかし問題の難易度自体は基本情報技術者試験のほうが高いため、より勉強が必要と言えるでしょう。

参照:情報処理推進機構「情報処理技術者試験情報処理安全確保支援士試験試験要綱」

試験範囲の違い

ITパスポートと基本情報技術者試験は出題範囲も異なります。

それぞれの範囲についてまとめました。

ITパスポート試験出題範囲

ITパスポート試験は3つの分野から出題されます。合格するにはどの分野も300点以上取らなくてはなりません。

出題範囲の詳細は、以下の通りです。

  • テクノロジ系
大分類 中分類
基礎理論 基礎理論、アルゴリズムとプログラミング
コンピュータシステム コンピュータ構成要素、システム構成要素、ソフトウェア、ハードウェア
技術要素 ヒューマンインタフェース、マルチメディア、データベース、ネットワーク、セキュリティ
  • マネジメント系
大分類 中分類
開発技術 システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術
プロジェクトマネジメント プロジェクトマネジメント
サービスマネジメント サービスマネジメント、システム監査
  • ストラテジ系
大分類 中分類
企業と法務 企業活動、法務
経営戦略 経営戦略マネジメント、技術戦略マネジメント、ビジネスインダストリ
システム戦略 システム戦略、システム企画

得点の対象とされるのは、ストラテジ系32問、マネジメント系18問、テクノロジ系42問の計92問です。

参照:ITパスポート試験「試験内容・出題範囲」

基本情報技術者試験出題範囲(午前)

基本情報技術者試験では、午前は知識を、午後は技能を試されます。

出題範囲は、以下の通りです。

  • 午前 テクノロジ系
大分類 中分類
基礎理論 基礎理論、アルゴリズムとプログラミング
コンピュータシステム コンピュータ構成要素、システム構成要素、ソフトウェア、ハードウェア
技術要素 ヒューマンインタフェース、マルチメディア、データベース、ネットワーク、セキュリティ
開発技術 システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術
  • 午前 マネジメント系
大分類 中分類
プロジェクトマネジメント プロジェクトマネジメント
サービスマネジメント サービスマネジメント、システム監査
  • 午前 ストラテジ系
大分類 中分類
システム戦略 システム戦略、システム企画
企業と法務 企業活動、法務
経営戦略 経営戦略マネジメント、技術戦略マネジメント、ビジネスインダストリ

この中でテクノロジ系の技術要素セキュリティが重点分野に指定されています。

またITパスポート試験では、開発技術がマネジメント系に分類されているのに対し、情報技術者試験ではテクノロジ系に分類されています。

参照:情報処理推進機構「情報処理技術者試験情報処理安全確保支援士試験試験要綱」

基本情報技術者試験出題範囲(午後)

基本情報技術者試験の午後の出題範囲は、以下の通りです。

  1. コンピュータシステムに関すること(ソフトウェア・ハードウェア、データベース、ネットワーク)

  2. 情報セキュリティに関すること

  3. データ構造及びアルゴリズムに関すること

  4. ソフトウェア設計に関すること

  5. ソフトウェア開発に関すること

  6. マネジメントに関すること(プロジェクトマネジメント、マーケティングマネジメント)

  7. ストラテジに関すること(システム戦略、経営戦略・企業と法務)

午後の試験には必須回答問題と選択解答問題があり、11問の出題のうち5問を回答します。

ITパスポートと基本情報技術者の午前は、試験範囲の大枠がほとんど同じです。

しかし、基本情報技術者試験は午後の部もあるため、ITパスポート試験より試験範囲が広いと言えるでしょう。

試験範囲で比較する場合であっても、基本情報技術者試験のほうが難易度が高いことが分かります。

参照:情報処理推進機構「情報処理技術者試験情報処理安全確保支援士試験試験要綱」

基本情報技術者特有の午後試験については以下の記事で詳しく解説しています。

午後試験の範囲は一部変更

2022年4月のIPAからの発表により、午後試験の一部範囲が2023年4月から変更予定です。

具体的には、必須回答となっていた

  • データ構造及びアルゴリズム(擬似言語)
  • 情報セキュリティ

の2分野を中心にした構成へと変更となり、C・Javaなどの個別プログラム言語による出題は、普遍的・本質的なプログラミング思考力を問う擬似言語による出題へと変更されるなど、大幅な変更が加えられます。

よって、午後試験の対策の方針が今後変更となるため、今後受験を予定されている方は注意が必要です。

参照:情報処理技術者試験における出題範囲・シラバス等の変更内容の公表について(基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験の通年試験化)

それぞれの資格を取得するメリット

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どちらも取得する利点があります。

ITパスポートを取得するメリット

ITパスポートを取得するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

ひとつずつ見ていきましょう。

今必要なIT知識を習得できる

現代社会において、ITの知識が必要なのは技術者だけではありません。

他の職種においても、情報セキュリティー・モラルに関する知識は大切です。

トラブルを避けるためにも、どんなリスクがあるのか学んでおくとよいでしょう。

また、合格するためにはIT知識だけでなく、SWOT分析、BSCなどの経営関連や財務諸表・損益分岐点分析など法律関連の知識も必要となります。

ITパスポート試験対策をするうちに、ITを活用するために必要な幅広い知識を習得できるのがメリットのひとつでしょう。ITパスポートから順番により高度な資格を取得していくこともできます。

就職のアピールに活用できる

ITパスポートを合格していることで、一定以上のITの知識を持っていることを客観的に証明できるため、就職や大学進学でも役立ちます。

現在多くの分野でITが活用されているため、ITに関する基礎知識をもった人材だというのはアピールポイントの一つとなります。

実際、企業や国家公務員の採用試験時にITパスポートの合格を確認されることも増えてきています。

また進学においても、大学によっては入試優遇措置や単位認定が行われています。

武器を増やしたい学生にも向いている資格といえるでしょう。

企業のIT力向上に一役買う

ITパスポートを社内研修や新人教育の一環として導入する企業も増えています。

昨今増えている人的ミスが原因の情報漏洩などを防ぐため、社内全体のIT力を上げ、コンプライアンス強化につなげようという取り組みです。

また、ITの基礎知識を身につけることで、顧客へより明快に、分かりやすく

ITを利用したサービスを説明できるという利点もあります。

顧客のニーズを的確に把握するためにも、ITの知識が欠かせないという仕事も増えています。

基本情報技術者を取得するメリット

基本情報技術者を取得するメリットをまとめました。

企業から高評価を得られる

基本情報技術者の合格が社内評価の対象となる企業も増えています。

実際、表彰対象試験として取得を勧めている企業や、取得者に資格手当を支給する企業もあります。

基本情報技術者に合格することで、自分の持つ能力を客観的に企業に提示できるのがメリットといえるでしょう。

またIT系の仕事を始めるにおいて、まず合格を目指したい資格がこの基本情報技術者です。

IT系でキャリアアップしていくための基礎的な知識・技術を体系的に学べます。

社内での意思疎通がスムーズにいく

基本情報技術者試験では、IT系の仕事をするうえで欠かせない基礎知識も学びます。

時には、社内で知識があることを前提にコミュニケーションが進められることもあるでしょう。基本情報技術者試験対策で学び自信をもつことで、より確実に意思疎通ができるようになります。

また、本質的なIT知識を持つことで応用力や適用力が上がったり、ほかの部署の立場を理解したり、おもんばかったりできるようになるというメリットもあります。

就職で有利になることも

IT関連への就職・転職では、実務経験が重要視されることが多いです。

そのため資格があるからといって、必ずしも有利になるとは限りません。

ですが、資格の保持は知識・技術の目安としてアピール材料になります。実務経験があれば、合わせて説明しやすいでしょう。

またIT系に興味があることを示す良い材料にもなります。もちろん資格取得者を優遇している企業もあります。

そのため、基本情報技術者試験にチャレンジしておいて損はないといえるでしょう。

取得の順番はどうする?

はてなが並ぶ

どっちから取得すればいいのか、ベストな順番は人によって異なります。

ITパスポートと基本情報技術者試験では、ITパスポートのほうが難易度が低いです。

そのため、IT初心者であれば、ITパスポートで基礎知識を学び合格してから基本情報技術者試験に挑戦するのがおすすめです。

ITパスポートで基礎知識を学ぶことで、基本情報技術者試験の勉強もよりスムーズに進むでしょう。

一方、すでに実務経験がある人や転職活動のために資格取得を目指す人には、基本情報技術者試験からの受験もおすすめです。

転職活動では、ITパスポートよりもより難易度の高い基本情報技術者のほうが有利に働きます。

目指す業界にもよりますが、勉強時間がより限られていて、かつ実務経験や高度な知識が評価されやすい社会人であるなら、いきなり基本情報技術者の合格を目指すのもよいでしょう。

ITパスポートと基本情報技術者の違いまとめ

ITパスポートと基本情報技術者の違いまとめ

  • ITパスポートのほうが難易度が低い
  • ITパスポートはCBT方式、基本情報技術者はマークシート方式
  • ITパスポート試験は頻繁に行われるが基本情報技術者は年2回のみ開催
  • どっちから取得するか順番に決まりはないため自分に合った試験にチャレンジしよう

ITパスポートと基本情報技術者の違いについて様々な側面から解説してきました!

どちらもITについての知識や技能などを問う試験ですが、基本情報技術者のほうが難易度が高いです。

どちらにも取得のメリットがあるため、自分に合った資格に挑戦しましょう。

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